人気ブログランキング | 話題のタグを見る

-nihongkong-


【長い長いお産のハナシ〜最終章〜】

【長い長いお産のハナシ〜最終章〜】_d0104254_10495599.jpg



(産後2週間足らずで疲労のため高熱が。アルジの手製お握りとメモは
よい薬になりました)

さて、マジで助産院に帰ることになったニホンコン。
足元はフラッフラのガックガク。助産婦さんに抱えられるようにして
分娩室を後にする。

【歩こう 歩こう】

そして「ハイ、階段降りますよー」と助産婦さん。
嘘でしょ!私このガクガクの足で平坦な場所ですらおぼつかないのに、
段差なんて無理無理!担架は?!タンカで運んで〜」と。

このときばかりは「担架」で運んで欲しかったが、担架も車イスも
果てまたエレベーターすらも無い昭和な病院ゆえ、残るは
自力で降りるのみ。

確か、宇宙飛行士が宇宙から帰還した際、無重力状態が長かったせいで
足の筋肉が衰え、抱きかかえられるようにしてシャトルから降りてきたのを
以前見たことがあるけれど、まさにあんな感じ。

マラソン選手だとか宇宙飛行士だとか、例えが壮大で申し訳ありませんが、
一仕事終えたそのときは、ホントもう「エベレストの頂きに立つ」くらい
壮大なものでして。

で、現実に戻り。目の前にあるは階段。
転げ落ちるときは助産婦さんと運命を共にすると覚悟し、一段一段
あるようで無い感覚を噛み締めながら階段を降りる。

そしてそのまま呼んであったタクシーに乗って、一路助産院へ。
無銭飲食は「食い逃げ」というけれど、産んでさっさと帰るサマは
なんだか「産み逃げ」みたいな気分。

助産院へ帰るとスタッフ総出でお迎えしてくれ、ニホンコンはひとこと
「凱旋帰国です」と、よくわからないけど、なんかそれっぽいような
ただいまの挨拶。

今となってはいい話のタネができたワイ、なのですが、いやこれほんと
出産と同じくらい大変の一言でした。頭も朦朧としながら「イヤイヤ、これ
まじですか?」と何度思ったことか。


【入院生活は】

毎日日替わりで訪れる指圧やアロマの先生がいて、いかがですか?と
助産婦さんから声を掛けられる。「んもう私頑張ったんだもんね!」と
大いばりしながら片っ端から施術を受ける。ちなみにお代は
「入院費にツケて下さい」と、料金も聞かずに勝手にツケ支払い。

結局1泊延泊なぞして、通常4〜5日で退院のところを、お産前から
数えて計1週間滞在。ご飯も美味しく、極楽浄土の旅。

結果しんどい思いをしても帰って来てよかったなーと。


【よいお産とは】

「2人目は早いよー」と神話だか伝説のように言われた2回目のお産は、
安産どころか予想外のドタバタ劇。友人各位からも残念だったねと
声を掛けられるのだけど、あれ?残念?いや全然残念無念じゃないんですが。

確かに、直前までは「理想のお産ができなかったら、その後の育児に
支障が生じる」と、ドンヨリしておりましたが、お産が終わったら、そんな
思いは一切なくなっており、むしろ「それでも素晴らしいお産だった」と
胸を張って言える現在。

思うに、その人が「よいお産をしたい」と思っていれば、如何なる形であれ、
実現可能なんだと。ニホンコンの場合、それは産前〜退院のその瞬間まで
グラグラのニホンコンの気持ちと体にずっと寄り添ってくれた助産婦さんという
存在と家族が、今回のお産の大きなウェイトを占めました。

それぞれとのコミュニケーションによって、全員にがっちり支えられている自信と、
皆で一緒に産んだという一体感を体験でき、ドタバタしたからこそ得られた
ものが沢山ありました。

退院の前夜は、もう、感謝と感動の思いの丈を立ち会ってくれた助産婦さんに
トツトツと語る。そこに燃え盛る火さえあれば「きみの〜ゆく〜みちは〜」などと
キャンプファイヤーよろしく「若者たち」でも歌いそうな勢いだったかと、
酒でもあれば、肩組んで朝まで酌み交わせただろうに、残念ながらお茶以外
出る訳もなかった。

長い長いお産の話は、このくらい。

「夫れ禍福の転じて相生ずるは、其の変見え難きなり」
有名すぎる中国の「塞翁が馬」の一節が、実体験を持って理解できた
この度のお産なり。

10月15日 日本/香港

追記:長文駄文にオツキアイ、ありがとうございました。
by nihongkong | 2010-10-15 11:14 | まいにち母さん

<< 【貴重な絵本〜カロリーヌのせか...      【長い長いお産のハナシ〜終わら... >>

浜松→大阪→北京→香港→東京→湘南 03年からゆるやかに続けているブログ。中華や湘南ライフや子育てや。mail:kaorischina@gmail.com
by nihongkong
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31
記事ランキング
画像一覧
以前の記事
2020年 06月
2019年 08月
2019年 07月
2019年 06月
2018年 07月
2018年 06月
2018年 05月
2018年 03月
2018年 02月
2018年 01月
2017年 12月
2017年 10月
2017年 09月
2017年 07月
2017年 06月
2017年 05月
2017年 04月
2017年 03月
2017年 02月
2017年 01月
2016年 12月
2016年 10月
2016年 09月
2016年 08月
2016年 07月
2016年 06月
2016年 05月
2016年 04月
2016年 03月
2016年 02月
2016年 01月
2015年 12月
2015年 11月
2015年 10月
2015年 09月
2015年 08月
2015年 07月
2015年 06月
2015年 05月
2015年 04月
2015年 03月
2015年 02月
2015年 01月
2014年 12月
2014年 11月
2014年 10月
2014年 09月
2014年 08月
2014年 07月
2014年 06月
2014年 05月
2014年 04月
2014年 03月
2014年 02月
2014年 01月
2013年 12月
2013年 11月
2013年 10月
2013年 09月
2013年 08月
2013年 07月
2013年 06月
2013年 05月
2013年 04月
2013年 03月
2013年 02月
2013年 01月
2012年 12月
2012年 11月
2012年 10月
2012年 09月
2012年 08月
2012年 07月
2012年 06月
2012年 05月
2012年 04月
2012年 03月
2012年 02月
2012年 01月
2011年 12月
2011年 11月
2011年 10月
2011年 09月
2011年 08月
2011年 07月
2011年 06月
2011年 05月
2011年 04月
2011年 03月
2011年 02月
2011年 01月
2010年 12月
2010年 11月
2010年 10月
2010年 09月
2010年 08月
2010年 07月
2010年 06月
2010年 05月
2010年 04月
2010年 03月
2010年 02月
2010年 01月
2009年 12月
2009年 11月
2009年 10月
2009年 09月
2009年 08月
2009年 07月
2009年 06月
2009年 05月
2009年 04月
2009年 03月
2009年 02月
2009年 01月
2008年 12月
2008年 11月
2008年 10月
2008年 09月
2008年 08月
2008年 07月
2008年 06月
2008年 05月
2008年 04月
2008年 03月
2008年 02月
2008年 01月
2007年 12月
2007年 11月
2007年 10月
2007年 09月
2007年 08月
2007年 07月
2007年 06月
2007年 05月
2007年 04月
その他のジャンル