ニーハオ、ニホンコンです。
魔訶般若波羅蜜多心経
人生初の写経てものを体験してきました。
向かうは雨の鎌倉。
鎌倉は「晴れてよし、雨でも尚よし」な場所。
人が少なく、そして落ち着くのがヨイ。ここに江ノ電や車で
30分弱で来れる環境であることをいたく気に入っております。
前々から嘗ての仕事仲間と「愚痴いう前に写経しよう!」と
口癖のように言い合っていて、それがようやく実現したという。
向かうは長谷寺。大仏様からほど近いお寺で、ニホンコンも
鎌倉といえば「大仏→長谷寺」と定番の案内コースとなっている。
写経は3種類の中から選ぶというもの。定番の般若心経以外にも
短いものや、「写仏」などという、細かい線で仏様を描くというのもあった。
そりゃあもちろん般若心経を選ぶのだけれど、受付の方から
「初心者は1時間20分くらいかかりますね」と言われて少し固まる。
先に恥をさらしておくと、写経写経と言っていた割に、ニホンコン
「墨をすったことがなかった」という、あるまじき新人類。いえいえ、
新人でもないので余計に恥ずかしい。
学校の書道の時間にも当たり前のように墨汁を使っていて、あの
白いハコに入った黒いヨウカンみたいなモノは一度も使ったことなく。
「ああ、水を入れてこうやることで、墨になるのね」と感激しました。
娘が書を習っているというのに、母の私は小学校以来、筆を持った
ことがなく。静まり返るお堂の中で、緊張しながら書き始めました。
「一字一字が仏様です。心をしずめて願いながら書きましょう」との
言葉通り、真剣に真剣に書き始める。
もう、真剣すぎて意識が遠のく。
時折ふうっと意識がどっかにいって、筆だけが動いているという
時間が幾度かあった。
それはもしかしたら睡魔が襲ったのかもしれないけれど、
無になるとはこういうことかと、今さら思ったりもする。
書きながら思ったこと。
写経は「人生」ではないかということ。
さすがに煩悩まみれなニホンコン、最後まで無になることはできず、
いろんなことが頭を駆け巡りながらの写経ゆえ、こんなことを思いました。
弱弱しく書き始めた最初の数行、少しこなれてきた頃、傲慢にもなったり、
少し惰性が見えたりする中盤。そして最後には清々しい気持ちになり、
一文字書くごとに感謝しか生まれないという。
そして、書き終わった時には、心の底から「ありがとう」と思え、
大きな字で自分の名前と、今回のお願いごとを書いてきました。
ハタと気づいたら、一緒に来ていた仲間はとっくに終了し、退室しておりました。
ニホンコン、正確には分からないけれど、おそらく2時間かかって書き上げた
様子。まったく自覚がないので、竜宮城から帰ってきたみたいな感覚。
書き上げたお経はお寺に納めてくるのが常。
持って帰って広げてみたかったけれど、そういうものではないこと、
写経の在り方を勉強させてもらいました。
上手く表現できないのだけれど、終えた後は非常にすっきりし、
頭の中がクリアになった気分。
数か月に一度は訪れたい場所になりました。今度はおひとりさまで誰かを
待たせることなく、じーっくり書いてみたいものです。
あ、行きたい人あらばぜひご一緒しましょう。
その後に食べたお蕎麦屋さんもよかったので、新たな案内コースに
さしてもらうとします。
10月2日 日本/香港